It's okay to be weird

Kaigi on Rails 2024に参加した

Date: 2024-10-29

2024/10/25(金)、10/26(土)の2日間に渡って東京の有明で行われたKaigi on Rails 2024に参加した。

去年はオンラインでの視聴だったので、今回が福岡からの初めてのオフライン参加だった。講演も交流もとても充実していて、自分にとって総合的に学びと楽しみがとても満足度高く得られたカンファレンスとなった。
スタッフの皆様、登壇者の皆様、交流してくださった皆様に感謝。

どれも素晴らしい体験だったけど、その中から抜粋して振り返っていきたい。

Palkanさん

まずはPalkan(@palkan_tula)さんの基調講演「Rails Way, or the highway」、いやー本当に良かった。

というのも、僕の所属するSmartHRでは、彼の『Layered Design for Ruby on Rails Application』の読書会をイベントの直前にやるというのを僕が企画して、参加者5人で読み上げてきたところだった。
参加した皆が良い本と言っていて、今回の基調講演も期待が高まっていたのだけど、直近ではWASM関連のお話をされていたので、今回もそのお話になるかなと思っていたら、がっつりと本でもテーマのRails Wayとその拡張のお話だったので、「あ〜読書会やって良かった」となった。

Rails Wayという哲学を解釈し、どう拡張していくかというRailsに10年以上向き合ってきた彼だからこそできる講演になっていて、感激するとともに、改めて奥の深いフレームワークだなと思った。

そしてPalkanさんにはイベントの1週間前に「会社で読書会をやりました!本はとても良かったです!時間があるならイベントでお話させてください!」とDMしたら「親切な言葉をありがとう!話しましょう!」と言ってくれていた。
いつ声をかけようとドキドキしながらイベントに参加していたところ、懇親会で声をかけようとなり、同僚の英語話者の@NivekReetsの助けを借りて少しの間お話することができた。とてもフレンドリーに言葉に耳を傾けてくれて嬉しかった。「講演中の介入より抽出という言葉が特に印象に残しました」というのを伝えたかったんだけど、「介入」の英訳が出てこなかったりしてうまく伝えられず、TOEIC 960なんてこんなものだよというのを痛く味わった。英語をfluentに喋れるようになりて〜。

SmartHR社内で読書会を行った”Layered Design for Ruby on Rails Applications”の著者で、本日の基調講演の@palkan_tula さんに、サインと記念撮影をしていただきました!@nomuson @_tnagatomi @netwillnet @canisterism @NivekReets
#kaigionrails #rubyfriends pic.twitter.com/4MzlHul0TF

— inao (@inao) October 25, 2024

というわけでPalkanさんの講演と彼との交流が僕のKaigi on Rails 2024ではハイライトだったように思う。

講演のスライド: [Kaigi on Rails 2024] Rails Way, or the highway - Speaker Deck

ワークショップ: Rackを理解しRailsアプリケーション開発の足腰を鍛えよう

お昼休みは2日に渡ってRackを学ぶ「ワークショップ: Rackを理解しRailsアプリケーション開発の足腰を鍛えよう」 by @hogelogさんに参加。

ちょうどPalkanさんの本でRackの話が出ていて、会社の人に「Rackを学ぶのに良いリソースってありますかねぇ」などと聞いていたのでタイムリーだった。

短い時間の中、お弁当をかきこんでの参加だったのだけど、RackアプリケーションからRackサーバーの作り方まで短い時間で学べ、Rackと少し仲良くなれたワークショップだった。
Railsアプリケーションの裏でこんなものが動いているのだし、その上で成り立ってるんだなぁという気持ちになれた。

hogelogさんやTAの方々、ありがとうございました!

ワークショップの資料: hogelog/kaigionrails-2024-rack-workshop: Rack workshop at Kaigi on Rails 2024

RailsのPull requestsのレビューの時に私が考えていること

@yahondaさんの講演「RailsのPull requestsのレビューの時に私が考えていること」、これも良かった。

最近、同僚と共に初めてrails/railsにコントリビュートしたりしたこともあって興味をもって聞いた。Railsの話ではあるものの、タイトルが大事であったり、そこにユーザーストーリーはあるかといった話は、社内外含めて他のリポジトリのPull requestにも、果てはプロダクト開発全般にも応用できるものだと思った。

講演のスライド: RailsのPull requestsのレビューの時に私が考えていること - Speaker Deck

WHOLENESS, REPAIRING, AND TO HAVE FUN: 全体性、修復、そして楽しむこと

そしてカンファレンスの最後を飾る島田(@snoozer05)さんの基調講演「WHOLENESS, REPAIRING, AND TO HAVE FUN: 全体性、修復、そして楽しむこと」である。

最近、不必要に作り込みすぎない・やり過ぎないためにも「必要十分」という言葉がとても重要な気がしていて、そのキーワードが設計のアプローチの仕方として出てきていたのはやはりそうなのだなとなった。
また、C. アレグザンダーによる「修復とは元に戻すのではなく、変わった後の全体と再度調和させる作業」という言葉には勇気づけられた気がしたし、そのようなモチベーションでソフトウェアと向き合っていこうと思った。
そして何よりも楽しむのを忘れないこと、これは大事にしていきたい。

この2日間を統括してくださった本当に素晴らしい基調講演だった。中には涙していた人もいたのだとか…。

講演のスライド: WHOLENESS, REPAIRING, AND TO HAVE FUN: 全体性、修復、そして楽しむこと

交流

1日目は先に触れた公式懇親会での交流があったし、2次会は会社のメンバーで新橋まで出て串カツ田中でくだらない話や真面目な話をして楽しかった。

2日目はLeanerさんの有明のDrinkupに参加し、そのあとはメンバーを変えながら新橋で5時まで飲み明かした。

Rubyistたち、飲みの席でも技術について熱く語っていて、とても良いなぁと最近Rubyコミュニティに入るようになって毎回思わされるのであった。

ちなみに、どこで宿を取るのがいいか分からずイベント前に会社のSlackで聞いたところ、@inaoさんがオーガナイザーの大倉(@okuramasafumi)さんに聞いてくれて新橋が良いよと教えていただけていた。飲んだ後も徒歩ですぐ眠りにつけてすごく助かった。感謝。

最後に

Railsというフレームワークは本当に愛されているフレームワークなのだなというのを思ったカンファレンスだった。
Rails WorldでのDHHのキーノートの熱を見ると、彼自信が誰よりもRailsを愛しているのだろうと思うし、彼の言ったことをみんなが解釈してそれぞれにRails Wayを貫いているというのはなんとも美しい現象だと思う。
本当に参加してよかった。改めて携わってくださった皆さんに感謝。

また、会社から登壇者が4名も出たというのは登壇者活動の支援を行っているOSSやっていきの集いの運営メンバーとしては嬉しい限りだった。今後も支援を続けていきたいし、隙あらば僕自身も登壇を狙っていきたい。

最後に、2日+αの間、子どもたちを見てくれた妻に心から感謝。負担は大きいだろうに、行ってみたいと言ったところ僕にとって有意義だからと快諾してくれた。
日々の暮らしや特別な日を設けてお返ししていきたいと思う。


Takayuki Nagatomi

Takayuki Nagatomi (永冨 隆之)

1985年に生まれて以来ずっと福岡在住。高校を1年で中退後、引きこもって海外ゲームばかり遊んでいたら英語が得意になり、TOEICスコア960を獲得。
英語が得意なら言語を扱うプログラミングも向いているのではないかという恩師の勧めにより26歳の時に情報系の専門学校に入学。
30歳でソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを開始したweird programmerです。
家族を何よりも大事にしたい、最高の妻の夫であり2児の父でもあります。

現職: 株式会社SmartHR