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『Clean Coder』を読んだ ― ボブおじさんに学ぶプロの職業倫理

Date: 2022-04-03

ソフトウェア・エキスパートであるRobert C. Martinことボブおじさんによる『Clean Coder』を読みました。

「Clean Coder プロフェッショナルプログラマへの道」

この本の原著がリリースされたのは2011年と結構前なのですが、具体的なプログラミング手法などではなく、プログラマーの働き方について書かれた本なので、今でも十分に読む価値はあると思いました。

序章で以下のように書いてある通り、本書は各章でボブおじさんの失敗談が書かれたあと、それを受けてプロはどうあるべきかが書かれているという構成をとっています。

本書は、私の間違いの一覧であり、これまでの悪事の記録であり、私と同じ道を歩まないための指針であると考えていただきたい

プロ意識とは自分で責任を取ることに他ならず、コミットメントを安易にしないことや、言う必要がある場面ではノーと言うことなどの重要性が説かれています。

特に印象的だったのがプロの労働倫理として、雇用主のために働く週40時間とは別に、自分のキャリアを強化する週20時間を作ろうと書いてあることです。会社で働く時間とは別に学習する時間をそれだけ用意するということです。
これは賛否両論ある意見だと思いますが、本当のプロになるにはそれだけの覚悟が必要なのだということなのだと思います。
ここのところ向上心がそれほど持てず、ぬるま湯に浸かりつつあった自分にはハッとさせられる考え方でした。

他にも目次にある通り、コーディング、テスト駆動開発、練習といったコーディングについての話や、受け入れテスト、テスト戦略といったテストについての話、時間管理、見積もり、プレッシャー、協力、指導・徒弟制度・職人気質といった仕事全般の話について広範囲に書かれています。特にPERTといった見積もりについての話は失敗しがちなので参考になりました。

ボブおじさんの半世紀近い経験を元にしたプログラマーとして働くことのエッセンスが込められた本でした。
僕も一人のプロであるということを忘れず、日々の行動を見直していこうと思いました。


Takayuki Nagatomi

Takayuki Nagatomi (永冨 隆之)

1985年に生まれて以来ずっと福岡在住。高校を1年で中退後、引きこもって海外ゲームばかり遊んでいたら英語が得意になり、TOEICスコア960を獲得。
英語が得意なら言語を扱うプログラミングも向いているのではないかという恩師の勧めにより26歳の時に情報系の専門学校に入学。
30歳でソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを開始したweird programmerです。
家族を何よりも大事にしたい、最高の妻の夫であり2児の父でもあります。

現職: 株式会社SmartHR